経産省が2019年度税制改正要望を公表 研究開発税制や「OS税制」の拡充等
2018/9/11更新
経済産業省はこのほど、2019年度税制改正要望を公表した。今回の要望では、(1)研究開発投資の「量」の増加や「質」の向上を促すための研究開発税制の拡充、(2)ベンチャー企業の成長に必要な国内外の高度人材を確保するためのストックオプション税制の拡充、(3)新設法人への繰越欠損金制度の拡充を求めたほか、中小企業関連では、個人事業者の事業用資産に係る事業承継時の負担軽減措置の創設などを盛り込んでいる。
研究開発税制の拡充では、総額型(試験研究費総額に係る控除制度)について、税額控除の上限(現行25%)の引き上げや、税額控除率(2017年度改正で試験研究費の増減割合に応じたものに改組)の最大値(現行10%、2018年度末までの時限措置で14%)のさらなる引き上げを要求。また、「オープンイノベーション型」については、ベンチャー企業や中小企業と共同研究を行った場合に適用される税額控除率(現行:特別試験研究費の20%)の引き上げを求めている。
また、事業拡大に向けて手許資金が貴重なベンチャー企業は、社内外からの優秀な人材確保のためストックオプション(SO)税制を活用している。そこで、同税制(適格SO)の要件(付与対象者が取締役や使用人等、年間権利行使期間が付与決議から2~10年、年間権利行使総額が1,200万円)の一部を緩和し、国内外の高度人材の確保や、専門的な能力を有する多様な働き方を促す、SOを利用した柔軟なインセンティブ付与を実現する。