千葉競輪場のリニューアル費を全額負担! 公営競技の再生で「日本写真判定」の勝算は?
2018/5/14更新
競馬、競輪、競艇、オートレースなどの公営競技は、斜陽の時代を迎えて久しい。特に競輪やオートレースは、廃止する自治体が続出している。長らく業績が低迷していた千葉競輪も、千葉市が2015年に廃止方針を表明していた。
しかし、一転して昨年に存続が決定。方針を覆したのは、千葉競輪場の運営委託先である日本写真判定株式会社による斬新なビジネス提案だった。単に競輪場としてリニューアルするのではなく、自転車競技の国際規格に準拠した屋内250メートルバンクを備える多目的ドーム「千葉公園ドーム(仮称)」として再生しようというのだ。国際大会が運営できるほか、コンサート、フットサルなど各種競技の会場としても貸し出す計画だ。
地域活性にもつながる提案だが、問題がひとつあった。これまで国内の競輪場には4種類のバンクが存在していたが、250メートルバンクはなかったのである。そこで、千葉市が管轄の経済産業省や関係団体と調整し、既存ルールの変更を実現。これによって、国際規格に則った競輪が実現し、自転車競技の発展も見込めるようになった。
リニューアルの建設費の約70億円は、日本写真判定が全額負担。先行投資としては巨額だが、新たな競輪事業をはじめ、各種大会の運営も同社が担うので「勝算」は十分あるのではないか。閉塞感が漂っていた公営競技界で、未来を切り拓く一手となるか、注目が集まる。