新卒採用で「役員“逆”面接選考」を実施! インパクト重視? 実は緻密「ぱど」の採用戦略
2018/3/19更新
全国でフリーペーパーを発行する株式会社ぱどは、新卒採用に応募した学生が同社役員を面接する「逆面接選考」を実施する。通常の選考と立場が180度逆転しており、学生の興味を惹きつけるためのインパクト重視なイベントにも感じられるが、決められた質問項目を知れば同社の狙いが見えてくる。その質問項目とは「強み・弱み・夢」。企業体質を知るのに最適な質問だということが理解できる。同社は「当社への理解を深めてもらうのが意図」としているが、多くの店舗や企業に営業をかけてフリーペーパーやネット媒体を発行していることを踏まえれば、職業適性を図る目的もあるのは間違いないだろう。ある意味では、採用面接の場を活用したコーチング的な研修として機能しているともいえる。
さらにユニークなのは「ジャンケン選考」。ジャンケンに勝ち抜けば最終選考に進めるというものだ。まさに「運」だけの勝負だが、同社によれば「自分は運が良いと思っている前向きな人」を求めたいからだという結果だけを追えば運の有無だけを測っているように見えるが、採用選考の場をポジティブな雰囲気で満たせるため、同社の社風を応募者全体に知らせることができる。先輩社員や経営層の話で会社の雰囲気を伝えるのが常道だが、能動的な気づきをもたらそうとするこれらの仕掛けは、入社後の研修をより有意義なものにする効果もありそうだ。