お知らせ

賃金デジタル払いの改正省令公布
口座残高の上限100万円などの制限

2022/12/14更新

賃金デジタル払いは、デジタルマネーで給与を受け取れる新たな方法だが、厚生労働
省は1128日、賃金をデジタルマネーの取扱い業者の口座で受け取ることに関する労働
基準法の改正省令を公布した。賃金については、原則の現金払いのほか、これまで認め
られていた銀行口座と証券総合口座に加えて、厚生労働大臣が指定する資金移動業者の
口座への振込みが可能となる。

改正省令の施行は2023年4月1日となる。賃金は、原則、通貨で、直接労働者に、そ
の全額を支払わなければならないとされており、労働基準法施行規則において、使用者
は、労働者の同意を得た場合には(1)当該労働者が指定する銀行その他の金融機関に対
する当該労働者の預金又は貯金への振込み又は(2)当該労働者が指定する金融商品取引
業者に対する当該労働者の預り金への払込みにより賃金を支払うことも認められてい
る。

労働基準法の改正省令では、(1)(2)に加え、キャッシュレス決済の普及や送金サービ
スの多様化が進む中で、資金移動業者の口座への資金移動を給与受取に活用するニーズ
も一定程度見られることから、労働者の同意を得た上で、一定の要件を満たした場合に
は、労働者の資金移動業者の口座への賃金支払を可能とすることとした。ただ、口座残
高の上限を100万円とするなどの制限があり、利便性に課題を残す。また、解禁に当た
り、給与振込みを受ける資金移動業者には厳しい制限を課している。

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