インボイス登録、6月から急増
法人事業者は9月末で約96万件
2022/11/9更新
東京商工リサーチが、国税庁の適格請求書発行事業者サイトの公表データを独自に分析調査した結果、法人の登録数は2021年10月から2022年5月までは低調な動きだったが、6月に入ると12万4568件に急増、9月は月間最多の15万4816件が登録された。インボイス制度の認知に伴い、9月末の法人の事業者登録は96万1918件に達した。総務省の「経済センサス」の法人数(187万7488件)を基に試算すると、法人の半数が登録している。
一方、9月末の個人企業の登録は24万1792件で、登録率は12.2%にとどまる。個人企業は課税売上高1000万円以下の免税事業者が多く、取引先によっては制度登録の必要がなく、登録率は法人と比べて低い傾向にある。だが、同社が実施した企業調査では、制度開始後、免税事業者とは「取引しない」と9.8%の企業が回答。対応を決めていない「未定」も46.7%あり、このまま登録しないか、取引継続のため登録するか、個人企業の悩みは深い。
2022年9月末の法人登録済みの約96万件を都道府県別にみると、登録数トップは「東京都」の15万6745件(構成比16.2%)、次いで、「大阪府」7万8524件、「愛知県」5万9799件など、大都市圏が上位を占めた。また、登録率では、「東京都」が57.6%で最も高く、8月末は47.4%で5位だったが、9月に登録が一気に進んだ。2位は「山梨県」が57.1%(前回16位)と大幅に順位をあげた。3位は「大阪府」の56.2%(同4位)だった。