上場企業役職者4人に1人がスタートアップへ転職希望 背景にあるのは加速するオープンイノベーションか?
2019/6/3更新
国内最大級のスタートアップコミュニティを運営するCreww株式会社が、「上場企業から見たスタートアップ企業に関する意識調査」の結果を発表した。上場企業役職者200名の有効回答を得たこの意識調査によれば、「スタートアップ企業に転職してみたい」と回答したのは24.5%。上場企業役職者の4人に1人がスタートアップ企業への転職を希望している。「自分を試してみたい」「能力次第で評価されるから」などが理由だ。
この結果は、上場企業がスタートアップ企業に一定の価値を認めていることを表している。その背景にあるのは、加速するオープンイノベーションだろう。社内外のリソースを柔軟に絡めて新たな商品・サービスを生み出すオープンイノベーションの重視は、今やグローバルスタンダードだ。
ではなぜ、オープンイノベーションが重視されているのか。Creww社の調査によれば、スタートアップ企業との協業に期待することとして「独自のアイデア」「独自の技術」「行動の早さ」が挙げられている。上場企業は自らにこの3点が欠けていることを自覚しているのだろう。だからこそ、潜在的だとしても転職を希望する役職者が多いと思われる。スタートアップには新興企業のイメージがつきまとうが、本来は「社会貢献を目的とし、イノベーションの観点を持つ企業」を指し、すべての企業がスタートアップになり得る。事業に行き詰まりを感じている経営者は、この視点を重視して新規事業開発に取り組むべきだろう。