消費税の課税期間の短縮の特例 課税期間に応じた還付も可能に
2018/8/7更新
消費税の申告・納付は、前課税期間の消費税の年税額(地方消費税を含まない)が48万円を超えると中間申告が必要になる。年税額が48万円超400万円以下は年1回、400万円超4800万円以下は年3回、4800万円超は年11回の中間申告・納付だ。中間申告は、消費税が預かり金的な性格があることから、いわゆる運用益問題の解消に資すると思われるが、申告が増えれば納税者の事務負担も増える。
それ以上に大変なのは納税資金の手当てである。納付税額は、例えば、年11回の中間申告であれば「前年分の確定消費税額の12分の1の消費税額とその63分の17の地方消費税額」を中間納付する。そこで、前課税期間の納付実績どおりに預かる消費税があれば問題はないが、実際のところ、業績が思わしくないなどで、当期の消費税が大幅に減少していることも珍しくはないだろう。
その場合、その差額の納付税額を手当てしなければいけないことになる。
そこで、活用できるのが「課税期間短縮の特例」だ。消費税の課税期間は、個人事業者については1月1日から12月31日までの1年間であり、法人については事業年度とされているが、課税期間の特例を選択することにより、課税期間を3ヵ月又は1ヵ月ごとの期間に短縮することができるのだ。
この課税期間の短縮の特例を利用すれば、年1回とされていた還付制度を、課税期間(確定申告回数)に応じて年に数回受けることも可能になる。