司法書士への源泉徴収方法には注意を 税理士や弁護士とは異なる税額計算
2018/4/16更新
源泉徴収義務者が、税理士や弁護士、司法書士などに報酬・料金を支払う際には、所得税と復興特別所得税を源泉徴収しなければならないが、税理士や弁護士などに対する報酬等と、司法書士や土地家屋調査士などに対する報酬等とでは、源泉徴収の方法が異なるので注意が必要だ。
源泉徴収の対象となるものについては、報酬・料金に加えて、謝金、調査費、日当、旅費などの名目で支払われるものもすべて含まれる。しかし、支払う側の会社などで、直接負担した旅費や宿泊費などのうち、通常必要な範囲の金額であれば、報酬・料金には含めなくてもよい。
具体的な源泉徴収の方法として、税理士や弁護士などの報酬・料金の場合は、(1)支払金額が100万円以下は「支払金額×10.21%」、(2)支払金額が100万円超は「(支払金額-100万円)×20.42%+10万2100円」で計算した金額が、源泉徴収すべき所得税額となる。例えば、150万円の弁護士報酬を支払う場合には(2)の式を用いて「(150万円-100万円)×20.42%+10万2100円」で算出した20万4200円が源泉徴収すべき税額となる。
一方、司法書士や土地家屋調査士などの場合は、同一人に対して1回(件)に支払われる金額から1万円を差し引いた残額に、10.21%の税率を乗じて算出する。例えば、1件の委託契約に5万円を支払う場合は、「(5万円-1万円)×10.21%」、つまり4084円が源泉徴収する税額となる。