通行量調査が不要になる時代も近い? 画像解析で商店街の客層分析が可能に
2018/3/3更新
立地調査や売上予測を立てるのに活用する通行量調査。しかし、一般的に手作業で行われるためデータ量に限界があり、分析可能な項目も限られる。そうした問題をクリアする試みをしているのが、東京の中野区。NTT東日本と協定を結び、画像解析技術を活用した客層分析の実証実験を行っている。その舞台は、全長224mのアーケードと110の店舗で構成されている中野サンモール商店街。1日20万人以上が乗り降りする中野駅正面に位置することもあり、多くの人で賑わう。
大量の通行量を処理できるだけでなく、自動で瞬時に年齢層や性別を推定できるため、スタッフを24時間張り付かせる必要がなく、低コストで調査ができるのも特長。画像データは属性の推定と同時に廃棄し、記録や保存をしない仕組みのため、プライバシー問題もクリアしている。
この実証実験の成果は、商店街の振興策をはじめ、中野区のシティセールス戦略や観光プロモーションに活用する予定。今回、NTT東日本はそこまで言及していないが、より実用的なソリューションにできれば、多業界で各種マーケティングに効果を発揮するだろう。少なくとも人海戦術による通行量調査よりも手軽に、大量のデータを取得できるのは魅力。店舗出店時の事前調査を行うとき、当たり前のようにこうしたソリューションを活用する時代がすぐそこにやってきているのかもしれない。