国外財産調書、約1.2万人が提出
前年比6.9%増で8年連続の増加
2023/3/17更新
国外財産の保有が増加傾向にあるなか、国外財産に係る所得税や相続税の課税の適正
化が喫緊の課題となっていることから、納税者本人から国外財産の保有について申告を
求める仕組みとして、2012年度税制改正において国外財産調書の提出制度が創設され、
2014年1月から施行された(初回の調書は2013年分)。国税庁はこのほど、国外財産調
書制度創設後9年目となる2021年分の国外財産調書の提出状況を公表した。
2021年分(2021年12月31日時点の国外財産の保有状況を記載した)国外財産調書は、
昨年3月15日を期限に提出されているが(集計は2022年6月末まで)、提出件数は前年
比6.9%増の1万2109件で8年連続増加、その総財産額は同35.9%増の5兆6364億円で
2年ぶりの増加。局別では、「東京局」7755件(構成比64.0%)、「大阪局」1737件(同
14.3%)、「名古屋局」858件(同7.1%)の順に多く、この都市局3局で8割半ばを占
めた。
総財産額でみると、「東京局」は4兆2829億円にのぼり、全体の76.0%を占め、東京・
大阪(12.5%)・名古屋(4.1%)の3局で9割強を占める。
また、財産の種類別総額では、「有価証券」が63.3%を占める3兆5695億円で最多、
「預貯金」7591億円(構成比13.5%)、「建物」4474億円(同7.9%)、「貸付金」1576
億円(同2.8%)、「土地」1482億円(同2.6%)のほか、「それ以外の財産」が5545
億円(同9.8%)となっている。