2021年分相続税の申告状況公表
課税割合15年以降最高の9.3%
2023/1/11更新
国税庁が公表した2021年分相続税の申告状況によると、2021年中(2021年1月1日~
12月31日)に亡くなった人(被相続人)は、過去最高だった2019年(138万1093人)を
上回る143万9856人だった。このうち相続税の課税対象被相続人数は、前年比11.6%増
の13万4275人で、課税割合は9.3%(2020年分8.8%)だった。今回の対象は、2022年10
月31日までに提出された相続税額のある申告書に基づき集計している。
課税割合9.3%は、前年より0.5ポイント増加し、2015年の相続税の基礎控除引下げ以
降では最も高く、初めて9%台に入り、相続で税金がかかるのは100人に9人という状
況となった。
また、相続財産価額から被相続人の債務や葬儀費用などを差し引き、相続開始前3年
以内の生前贈与等を加算した相続税の課税価格は、18兆5774億円で前年比13.3%増加し、
税額は2兆4421億円で同16.8%増加した。
被相続人1人当たりでみると、課税価格が前年比1.6%増の1億3835万円(相続税額
のない申告書に係る価格は5106万円)と微増となったが、税額は1819万円で同4.7%増
加した。
相続財産額の構成比は、「現金・預貯金等」が34.0%、「土地」が33.2%とともに3
割強を占め、「有価証券」が16.4%、退職金や生命保険などが含まれている「その他」
が11.3%、「家屋」が5.1%の順となっている。