21年分路線価は6年ぶりの下落 コロナで商業地等の地価が下落
2021/7/14更新
全国の国税局・税務署において7月1日、相続税や贈与税の土地等の課税評価額の基準となる2021年分の路線価及び評価倍率が公表されたが、新型コロナウイルスの影響により、今年1月1日時点の全国約32万地点(継続地点)における標準宅地の前年比の変動率の平均は▲0.5%(昨年+1.6%)と、6年ぶりの下落となった。路線価日本一は36年連続で東京・銀座「鳩居堂前」となったが、▲7.0%と9年ぶりに下落している。
都道府県別の路線価をみると、標準宅地の評価基準額の対前年変動率の平均値の上昇率が「5%未満」の都道府県は、昨年分19府県から7道県に減少。上昇率が「5%以上」の都道府県は、昨年の2都県からゼロに。一方で、下落した都道府県は昨年の26県から39府県に増加。ちなみに、上昇率トップは福岡県の1.8%、最大の下落率は静岡県の▲1.6%だった。
下落となった要因は、新型コロナウイルス感染拡大により、インバウンド需要が消失したことや、飲食店等への営業自粛・営業時間短縮要請の影響で、観光地や商業地の地価が下落したことにある。
一方、都道府県庁所在都市の最高路線価が上昇した都市は8都市(昨年38都市)と大幅に減少し、8都市とも上昇率が5%未満だった。横ばいは17都市(同8都市)で、下落は22都市(同1都市)。内訳は、下落率5%未満が17都市(同1都市)、5%以上10%未満が4都市(同0都市)。10%以上が奈良市(▲12.5%)の1都市だった。