トピックス|仙台第一会計・佐々木泰斗税理士事務所(宮城県仙台市)

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2016.02.25 16年度の国民負担率は43.9%の見通し  潜在的な国民負担率は50.6%の見通し

国民負担率とは、国民所得に対する税金や社会保険料(年金・医療費などの保険料)の負担割合。財務省は、国民負担率が、2016年度予算では2015年度見込みから0.5ポイント減の43.9%で、7年ぶりの低下となる見通しと発表した。緩やかな景気回復で国民所得が増える一方、労使折半の雇用保険料などが下がることが要因。16年度見通しの内訳は、国税15.9%、地方税10.3%で租税負担率が26.1%、社会保障負担率は17.8%。
2015年度見込みに比べ、租税負担率は0.4ポイント減(国税0.2ポイント減、地方税0.1ポイント減)、社会保障負担率は0.1ポイント減。社会保障負担は、この統計を開始した1970年以降では最高だった15年度(17.9%)をわずかに下回る。
国民負担率を諸外国(13年実績)と比べた場合、アメリカ(32.5%)よりは高いが、フランス(67.6%)、スウェーデン(55.7%)、ドイツ(52.6%)、イギリス(46.5%)などよりは低い。
真の負担率は、財政赤字という形で将来世代へ先送りしている負担額を加える必要がある。財務省によると、2016年度の国民所得(15年度に比べ11万7千円増の385万9千円)に対する財政赤字の割合は、前年度から横ばいの6.7%となる見通し。この結果、16年度の国民負担率に財政赤字を加えた「潜在的な国民負担率」は、15年度からは0.5ポイント減の50.6%となる見通しだが、引き続き5割を超えている。


2016.02.18 高度な施設型農業「スマートアグリ」  植物工場、200ヶ所に拡大、3割黒字化

植物工場は日本国内で2009年の50ヶ所から200ヶ所(2015年3月時点)に急速に拡大している。
植物工場は高度な施設型農業の一形態で、光・温度・湿度・CO2濃度・水分・養分などの生育環境を人工的に管理し、年間を通じて計画的な収穫を目指していく栽培施設だ。
植物工場には、閉鎖環境で太陽光を使わずに環境を制御して生産を行う「完全人工光型」と温室等の半閉鎖環境で太陽光の利用を基本として、雨天・曇天時の補光や夏季の高温抑制技術等により生産する「太陽光利用型」の2つがある。いずれも、コンピュータを用いて積極的に生育環境をコントロールする。
具体的には、栽培者が制御盤を用いて制御用コンピュータにて環境設定を行うと、各種センサで生育環境を把握し、温湿度であれば空調機養分であれば追肥装置などを用いて計画的にコントロールする。植物工場の要素技術に関して日本は世界のトップレベルであり、植物工場でのセンサ・モニタリング技術や制御技術などの中には、製造業(生産システム)における技術が適用されているものも多い。
現状では実証用の小型施設も多いが、約3割の施設で黒字化を実現している。これこそ植物工場などの“スマートアグリ”の一完成形で、「勘と経験」から「科学と実績」に裏打ちされた計算できる農業経営へと向かっている。


2016.02.12 雇用促進税制はフルタイム勤務に限定  対象地域も28道府県、101地域に縮減

雇用を増やす企業を減税する雇用促進税制は、2016年度税制改正において、適用対象となる雇用者をフルタイムの勤務者に限定し、また、対象地域を大幅に縮減した上で適用期限が2年延長される。対象地域から、同税制の前提となる雇用促進計画をハローワークが受け付けた件数の上位である東京や神奈川、大阪、愛知などは除外され、28道府県、ハローワークの管轄区域では101地域に縮減される。
 改正案は、雇用促進税制における地方拠点強化税制以外の措置について、適用の基礎となる増加雇用者数を地域雇用開発促進法の同意雇用開発促進地域内にある事業所における無期雇用かつフルタイムの雇用者の増加数(新規雇用に限る)とした上、その適用期限を2年延長する、としている。
 対象となる雇用者は、これまで雇用保険の一般被保険者に該当すればパートやアルバイトも対象となったが、改正後は無期雇用かつフルタイムの雇用者で新規雇用に限定される。
この結果、税額控除額の計算は、現行の「増加した雇用保険一般被保険者の数×40万円」から、改正後は「同意雇用開発促進地域内の事業所における新規増加の無期雇用かつフルタイムの一般被保険者の数×40万円」となる。
 「同意雇用開発促進地域」とは、最近3年間又は1年間のハローワークにおける求職者に対する求人数の割合(常用有効求人倍率)が全国平均の3分の2以下などの要件に当てはまる地域。


2016.02.12 定昇込みで6689 円・2.12%と予測  経営側の3割が「ベア実施予定」

民間調査機関の労務行政研究所(東京都)は今春も「賃上げに関するアンケート調査」を実施し予測を公表した。この調査は1974 年(昭和49)から毎年行い、賃金交渉の動向を把握するための参考資料として官庁、労使、労働経済分野のシンクタンク、有識者等の間で最も実績のある調査として認識されている。今回の被調査者は6350 人(労組委員長等2126 人、経営側―人事部長等2306 人、報道解説委員、大学教授、など1918 人)、回答者合計495 人。
今年の賃上げは、全回答者の平均で「6689 円・2.12%」(定期昇給分を含む)の見通し。ベア実施企業が相次いだ昨年の厚労省・主要企業賃上げ実績(7367 円・ 2.38%)は下回る。
労使別に見た平均値は労働側 6616 円・2.10%、経営側 6553 円・2.08%で、両者の見通しは近接している。16年の定期昇給では、労使とも「実施すべき」「実施する予定」が8〜9 割と大半。ベースアップは、経営側では「実施予定」30.1%、「実施しない予定」37.8%。労働側ではベアを「実施すべき」が74.5%を占めた。
一方、連合総研は2015年の総括として「規模別の動向」等をまとめた。平均賃上げ率で2.2%を上回るのは、組合員数1000 人以上の大規模企業、499 人以下では2%を下回り、49 人以下では 1%台半ばだったと報告。今年も2%台の攻防の陰で規模格差の縮小は難題だ。


2016.02.04 一律支給のケースのものは「雑所得」    就職支度金の税務上の取扱いに注意

人手不足に悩む企業が多いなか、採用内定者に就職支度金を支給して人材を確保する企業も少なくないと思われる。例えば、転職に際し、転職先から支給される就職支度金は、本来、その転職に伴って転居するための引越代などの費用を弁償する性格のものとされている。したがって、そのような性格を有する支度金であれば、その就職者に利益があったとは考えられず、所得税法上も非課税とされる。
しかし実際には、そのような実費弁償としての考え方ではなく、実際の金額を考慮せずに概算払いや一律いくらといった契約金的な性格のものとして支払われることが多いと思われる。このような性格の支度金は、一時に受け取るものではあるが、労務の対価としての性格もあるため、一時所得にはならず、また、雇用契約を前提として支給されるものなので給与所得ではなく雑所得として取り扱われる。
このようなケースでは、「契約金に係る源泉徴収税額」として、1回に支払われる金額が100万円までは支払額の10.21%、100万円を超える場合はその超える部分の金額については20.42%を支払者が支払いの都度、源泉徴収する必要がある。
なお、その支度金が、転職に際し、転居のための費用も含まれて支払うということであれば、契約金に相当する部分と転居に伴う費用に充てるための部分とが明確に区分して支払われ、かつ、その転居のための費用として通常必要と認められる部分の金額は非課税として取り扱われる。