トピックス|仙台第一会計・佐々木泰斗税理士事務所(宮城県仙台市)

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2016.10.26 上場廃止寸前から9期ぶりの黒字復活 有料化戦略で成功したメガネスーパー

 過去、8期連続の赤字を計上し、3期連続で債務超過にも陥ったメガネスーパー。昨年7月には、上場廃止にかかわる猶予期間入り銘柄に指定された。製造小売方式(SPA)を採用する低価格チェーンとの競争に敗れたことが原因だった。そこで同社は、リソースを見直しつつ企業コンセプトを立て直した。「眼鏡学校」を自前で持つなど、スキルの高い人材が揃っていたため、「眼鏡のプロ集団」として「アイケアサービス」を前面に押し出す戦略を打ち出したのである。
 注目は、メガネ店では無料だった検査を有料化したことだ。「トータルアイ検査」として、通常15分程度のところを40〜60分かけて多項目をチェック。あえて有料化することで、検査を「目を大切にするため」に必要なプロセスだと位置づけ、眼鏡を視力矯正だけでなく健康サポートのツールだと訴求したのである。このコンセプトが、中高年世代にマッチし、客単価は2012年の約2万円から3万5000円まで上昇。2016年4月期決算では9期ぶりの黒字化を果たし、猶予期間入り銘柄からも解除されている。SPAは小売業にとって大きなメリットのある手法だが、ブランドに合致した製品を安定供給するには一定の時間が必要だ。それよりも、自社の強みを洗い直して、それをいかに発揮できるかを検討するほうが、迅速に、しかも骨太な戦略を構築できるということを、メガネスーパーの事例は示唆しているといえよう。


2016.10.26 免税事業者が事業用不動産を売却 売却年以降の消費税の影響に注意!

 不動産の売却はその対価が多額になることから、消費税の負担への影響が大きくなる。土地・建物を売却した場合、建物は消費税の課税対象だが、土地は非課税である。ただし、自宅などの非業務用の建物は、たとえ課税事業者であっても、消費税は課税されない。問題となるのは、貸家やアパート、店舗などの建物である事業用不動産の売却だが、ここでも消費税が課税されるのは課税事業者のみとなる。
 免税事業者に該当する場合は、その対価がどんなに大きくても、売却に係る消費税の負担は生じない。しかし、注意したいのは、売却した年以降の消費税に影響を及ぼすことだ。免税事業者が業務用建物を売却した結果、その年の課税売上高が1000万円を超えた場合には、翌々年に課税事業者となるので、翌々年に課税売上があった場合には、その分に消費税が課税されることになる。
 また、2013年1月1日以後に開始する年については、特定期間(その年の前年の1月1日から6月30日までの期間)の課税売上高が1000万円を超えた場合には、基準期間(前々年)の課税売上高が1000万円以下であっても、翌年から課税事業者とされる。ただし、課税売上高に代えて、給与等支払額の合計額により判定することもできるので、その6ヵ月間の給与等支払額が1000万円を超えていなければ、免税事業者と判定することができる。したがって、給与等支払額の状況によっては、特定期間を避けて、7月以降の売却を検討する必要がある。


2016.10.20 相続税申告書への被相続人の個人番号 2016年10月以降提出分は記載不要に

 国税庁は、相続税申告書への被相続人のマイナンバー(個人番号)記載の取扱いを見直し、2016年10月1日以降に提出する相続税申告書から、被相続人のマイナンバーの記載を不要にすることを公表した。従来は、2016年1月1日以降に相続又は遺贈(贈与をした者の死亡により効力を生ずる贈与を含む)により取得する財産に係る相続税の申告書には、被相続人のマイナンバーの記載が求められていた。
 しかし、相続人等の納税者からは、「故人から相続開始後にマイナンバーの提供を受けることはできないため、相続税申告書への記載は困難」、「相続開始前に相続税の申告のために、あらかじめマイナンバーの提供を受けておくことは、親族間であっても抵抗がある」といった趣旨の納税者等の意見をもあり、国税庁は、関係省庁との協議・検討を重ねた結果、被相続人のマイナンバー記載等に関する困難性や、生前にマイナンバーの提供を受けることへの抵抗感、安全管理措置等の負担を考慮し、10月以降はマイナンバー記載を不要とする取扱いに変更したもの。
 この変更に伴い、すでに同庁のホームページに掲載されている相続税の申告書は、被相続人の個人番号欄に斜線が引かれ、記載ができない様式に変更されている。また、すでに提出された相続税申告書に被相続人のマイナンバーが記載されている場合には、税務署でマイナンバー部分をマスキングするとしており、納税者が改めて新様式の相続税申告書を再提出する必要はない。


2016.10.20 広報戦略や財務戦略の担当者もアウトソーシングできる時代に突入!

 いかに優秀な人材を確保するか。これは、古今東西で変わらない経営の悩みだ。とりわけ、財務戦略や広報戦略など経営の中枢を担える人材は、そう簡単に見つからず、運良く見つかっても、確保し続けるためにはコストがかかる。もちろん、育てるのは容易ではなく時間もかかってしまう。
 そんな悩みを解決するサービスが登場した。
 さまざまなソリューションの開発・提供を行っているリライアンス・データ社の「KUROKO BRAIN」だ。これまで、パワーポイント資料のクラウド作成や、資金調達用の事業説明資料作成を行ってきたが、10月に対応領域を拡張。「スポット広報」や「スポットCFO」を業務委託形式で派遣する。「スポット広報」は新商品・サービスのPRから広報戦略の立案・実行まで、「スポットCFO」は事業計画や財務戦略の立案、投資家や金融機関の紹介および面談、M&Aの交渉まで担う。週1回から月1回程度の勤務頻度で、費用は月額25〜70万円が目安と、高度な業務内容を考慮すればリーズナブルと言える。
 しかし、いきなり外部に課題を丸投げしても、望んだ成果は得られにくく、社内で協議し、必要な調整を行ってから依頼したほうが、外部の専門家が力を発揮しやすくなるのは言うまでもない。
 ニーズが細分化し、コンパクトな経営が求められる今、専門業務のアウトソーシングサービスを活用するのもひとつの選択肢ではないだろうか。


2016.10.12 日産の“お遊び”企画に込められた 緻密なマーケティング戦略とは?

日産自動車は、行列を自動で進むイス「プロパイロットチェア」を製作し、9月26日に動画を公開した。動画では、飲食店の順番待ちをしている客が、座ったまま列の先頭まで自動的に運ばれる様子がまとめられている。同チェアは、自動運転技術「プロパイロット」をPRするために製作された。この前例のない機能を周知させるため、あえて車ではなく別のシーンを選び、実際にプロダクトまで製作したというのだ。
しかし、なぜ別のプロダクトを製作して新技術をPRするのか。背景にあるのは、新車販売台数の急激な落ち込みだろう。2015年度の国内新車販売台数は、東日本大震災が起きた2011年度以来4年ぶりに500万台割れとなっている。これが単純な「車離れ」によるものではないことは、カーシェアリング市場の動きを見ると明らかだ。レンタカーよりも手軽なカーシェアリングは、この5年間で全体の会員数が50万人以上増加しているのである。「新車を買う気はないが、格安・手軽に車を利用したい」層が増えており、同社のPRはそうした層へのアプローチにほかならない。遊び心を忘れず、それでいて本気度の高さをアピールしているのも、ソーシャルメディアとの親和性を高めている。もちろん、ソーシャルメディアを利用する層と、車を“潜在的に利用したい層”が合致しているがゆえの施策であり、他業種・業界でのマーケティングでも参考になる好例と言えよう。